社会科学の中核をなす「政治」では、日本国憲法の原理と統治機構を軸に、選挙制度・地方自治・各国の政治制度、そして国際政治まで幅広く問われる。まず憲法の性格として、天皇は日本国および日本国民統合の象徴であって国政に関する権能を有しない(第1条・第4条)。基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」として現在および将来の国民に与えられる(第11条・第97条)。憲法改正は各議院の総議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成を得なければならない(第96条)。
統治機構では、国会が「国権の最高機関」であり国の「唯一の立法機関」とされる(第41条)。内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され(第67条)、国務大臣の過半数は国会議員から選ばなければならない(第68条)。衆議院で内閣不信任決議案が可決されれば、内閣は10日以内に衆議院を解散しない限り総辞職する(第69条)。裁判所については、最高裁判所裁判官は任命後最初の衆議院総選挙で国民審査に付され、以後10年ごとに審査される(第79条)。
比較政治では、権力分立を徹底する大統領制と、議会の信任に内閣が依存する議院内閣制の違いを押さえる。国際政治では国際連合を中心とした国際機構の役割、主権・勢力均衡・集団安全保障などの基本概念、戦後日本の政治史の流れも頻出であり、条文の数値と制度の趣旨を結び付けて理解することが得点の鍵となる。
1. 日本国憲法において、基本的人権はどのような権利として国民に保障されているか。
憲法第11条・第97条は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として現在及び将来の国民に保障すると定めている。 (日本国憲法 第11条・第97条)
2. 日本国憲法第14条が定める「法の下の平等」に関する記述として正しいものはどれか。
憲法第14条第1項は人種・信条・性別・社会的身分・門地による差別を禁止し、同条第2項は華族制度を否定している。 (日本国憲法 第14条)
3. 日本国憲法第19条が保障する「思想及び良心の自由」に関する記述として最も適切なものはどれか。
思想及び良心の自由は内心にとどまる限り、公共の福祉によっても制約されない絶対的な精神的自由権とされる。 (日本国憲法 第19条)
4. 日本国憲法が定める政教分離原則に関する記述として妥当なものはどれか。
憲法第20条第3項は国及び国の機関の宗教的活動を禁止し、第89条は宗教団体への公金支出を禁止している。 (日本国憲法 第20条第3項)
5. 日本国憲法第21条に関する記述として正しいものはどれか。
憲法第21条第1項は表現の自由を保障し、第2項は検閲を絶対的に禁止している。 (日本国憲法 第21条)
6. 日本国憲法第25条が定める「生存権」の内容として正しいものはどれか。
憲法第25条第1項は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を明文で保障している。 (日本国憲法 第25条)
7. 生存権の法的性格について、朝日訴訟の最高裁判所判決が示したとされる考え方に最も近いものはどれか。
朝日訴訟判決はプログラム規定的な立場を基調としつつ、厚生大臣(当時)の裁量権にも限界がありうるとした。 (最高裁判所判例(朝日訴訟、憲法第25条関連))
8. 日本国憲法第26条に関する記述として正しいものはどれか。
憲法第26条第2項は保護者に普通教育を受けさせる義務を課し、義務教育の無償を定めている。 (日本国憲法 第26条)
9. 日本国憲法第28条が保障する労働基本権(労働三権)の組み合わせとして正しいものはどれか。
憲法第28条は勤労者の団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権を含む)を保障している。 (日本国憲法 第28条)
10. 日本国憲法第31条が定める「適正手続の保障」の内容として最も適切なものはどれか。
憲法第31条は法定手続の保障を定め、罪刑法定主義や適正な刑事手続の要請の根拠とされる。 (日本国憲法 第31条)
11. 基本的人権の享有主体に関する記述として、マクリーン事件判決など判例の立場に最も合致するものはどれか。
マクリーン事件判決等により、人権規定は権利の性質上日本国民のみを対象とするものを除き外国人にも及ぶとされる。 (最高裁判所判例(マクリーン事件、憲法第3章関連))
12. 憲法の人権規定が私人間(企業と個人など)の関係にどのように及ぶかについて、三菱樹脂事件判決が採用したとされる考え方はどれか。
三菱樹脂事件判決は私的自治の原則を尊重しつつ、公序良俗規定等を通じて間接的に人権保障を及ぼす間接適用説的な立場を示した。 (最高裁判所判例(三菱樹脂事件、憲法第3章関連))
13. 憲法に明文の規定がないプライバシー権などの「新しい人権」の根拠として、一般に挙げられる憲法上の規定はどれか。
プライバシー権や環境権などの新しい人権は、第13条の幸福追求権を根拠に主張されることが多い。 (日本国憲法 第13条)
14. 国際連合が正式に発足した年として正しいものはどれか。
国際連合は1945年に国連憲章の発効により正式に発足した。 (国際連合憲章(1945年発効))
15. 国際連合の本部が置かれている都市として正しいものはどれか。
国連本部はアメリカ合衆国ニューヨークに所在する。 (国際連合の組織概要)
16. 国際連合安全保障理事会の常任理事国でない国はどれか。
安全保障理事会の常任理事国は米・英・仏・露・中の5か国であり、ドイツは含まれない。 (国際連合憲章 第23条)
17. 国際連合安全保障理事会における実質事項の議決に関する記述として正しいものはどれか。
実質事項の決定には常任理事国の同意投票を含む9理事国以上の賛成が必要であり、常任理事国のいずれかが反対すれば否決される(拒否権)。 (国際連合憲章 第27条)
18. 国際連合総会における表決の原則として正しいものはどれか。
総会では加盟国の主権平等の原則に基づき、各国が一票を有する。 (国際連合憲章 第18条)
19. 国際司法裁判所(ICJ)に関する記述として正しいものはどれか。
ICJは国家間の法的紛争を扱う国連の主要司法機関で、オランダのハーグに本部を置く。個人の刑事責任を扱う国際刑事裁判所(ICC)とは異なる。 (国際連合憲章 第92条、国際司法裁判所規程)
20. 国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)の違いに関する記述として最も適切なものはどれか。
ICJは国連憲章に基づく国家間紛争処理機関であるのに対し、ICCはローマ規程に基づき個人の国際犯罪を訴追する国連とは別の独立した常設裁判所である。 (国際連合憲章、国際刑事裁判所ローマ規程)
21. 日本が国際連合に加盟した年として正しいものはどれか。
日本は1956年、日ソ共同宣言によるソ連の支持を経て国連に加盟した。 (日ソ共同宣言(1956年)・国連加盟の経緯)
22. 国際連合の専門機関に関する記述として正しいものはどれか。
WHOやUNESCO、ILOなどは独自の設立文書と予算を持ちつつ、国連と連携協定を結ぶ専門機関である。ILOは1919年の国際連盟時代に設立された。 (国際連合憲章 第57条・第63条)
23. 国連平和維持活動(PKO)に関する記述として最も適切なものはどれか。
PKOは国連憲章に明文規定がなく、実行の積み重ねにより発展してきたため「第6章半」の活動と呼ばれることがある。 (国際連合の実行(PKOの慣行))
24. 国際連合事務総長に関する記述として正しいものはどれか。
事務総長は安全保障理事会の勧告に基づき総会が任命する国連の行政職員の長である。 (国際連合憲章 第97条)
25. 国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(IBRD、世界銀行)が設立される根拠となった1944年の会議はどれか。
1944年のブレトンウッズ会議により、戦後の国際通貨・金融体制を担うIMFと世界銀行の設立が合意された。 (ブレトンウッズ協定(1944年))
26. ヨーロッパ諸国の経済的・政治的統合を目的として発展し、共通通貨ユーロの導入など高度な統合を実現している地域機構はどれか。
欧州連合(EU)はマーストリヒト条約により発足し、単一通貨ユーロの導入など高度な経済・政治統合を進めている地域機構である。 (マーストリヒト条約(1993年発効))
27. 日本国憲法における国会の地位に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第41条は、国会を「国権の最高機関」であり「国の唯一の立法機関」であると定めている。 (日本国憲法第41条)
28. 日本国憲法における天皇の地位に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第1条は天皇を日本国および日本国民統合の象徴と定め、第4条は天皇が国政に関する権能を有しないと定めている。 (日本国憲法第1条・第4条)
29. 内閣総理大臣の指名に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第67条により、内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名される。 (日本国憲法第67条)
30. 内閣の国務大臣の任命に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第68条は、内閣総理大臣が国務大臣を任命するが、その過半数は国会議員でなければならないと定めている。 (日本国憲法第68条)
31. 衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合における内閣の対応として、正しいものはどれか。
憲法第69条により、衆議院で不信任決議案が可決された場合、10日以内に衆議院が解散されない限り内閣は総辞職しなければならない。 (日本国憲法第69条)
32. 衆議院議員及び参議院議員の任期に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第45条は衆議院議員の任期を4年、第46条は参議院議員の任期を6年(3年ごとに半数改選)と定めている。 (日本国憲法第45条・第46条)
33. 法律案について衆議院と参議院が異なる議決をした場合の取扱いとして、正しいものはどれか。
憲法第59条により、衆議院で可決した法律案を参議院が否決等した場合、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律となる。 (日本国憲法第59条)
34. 予算の審議に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第60条は予算について衆議院の先議権を定めている。 (日本国憲法第60条)
35. 条約の締結手続に関する記述として、正しいものはどれか。
憲法第73条第3号により、条約の締結は内閣の権限であるが、事前または事後に国会の承認が必要とされる。 (日本国憲法第73条第3号)