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🧪 化学

化学 ― 物質の構造と化学反応

本分野は物質の構成粒子とその変化を扱う。原子は原子核(陽子・中性子)と電子からなる。原子番号は原子核中の陽子の数で、中性原子では電子数に等しい。質量数は陽子の数と中性子の数の和である。同位体(アイソトープ)は原子番号(陽子数)が等しく質量数(中性子数)が異なる原子をいう。電子は電子殻に配置され、内側からn番目の殻には最大2n^2個(K殻2、L殻8、M殻18)が収容される。

周期表は縦の列を族(1〜18族)、横の行を周期(第1〜第7周期)とする。18族は貴ガス(希ガス)で価電子0、化学的に安定。1族(水素を除く)はアルカリ金属(Li, Na, K, Rb, Cs, Fr)で価電子1。電気陰性度は全元素中フッ素Fが最大(約4.0=3.98)。化学結合にはイオン結合・共有結合・金属結合の3種類がある。

物質量(モル)と量的関係の要点は次のとおり。

酸と塩基では、25℃の水のイオン積Kw=1.0×10^-14 (mol/L)^2で、中性はpH=7。酸化還元反応は電子の授受で定義され、酸化=電子を失うこと(酸化数の増加)、還元=電子を受け取ること(酸化数の減少)である。無機化学では金属・非金属元素の性質、有機化学では炭素骨格をもつ化合物の基礎を整理する。頻出は物質量計算、中和および酸化還元の量的関係、周期表の規則性である。

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例題 (35)

1. 原子番号は、原子核中の何の数によって定まるか。

  1. 中性子の数
  2. 陽子の数
  3. 価電子の数
  4. 電子殻の数

原子番号は原子核中の陽子の数によって定義され、中性の原子ではこの数が電子の数と一致する。 (文部科学省 高等学校学習指導要領解説 理科編(化学基礎「物質の構成」))

2. 原子の質量数は、次のどの数値の和として表されるか。

  1. 陽子の数と電子の数
  2. 陽子の数と中性子の数
  3. 中性子の数と電子の数
  4. 価電子の数と内殻電子の数

質量数は原子核を構成する陽子の数と中性子の数の和として定義される。 (高等学校 化学基礎(物質の構成粒子))

3. 同位体(アイソトープ)の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 陽子の数が異なり、中性子の数が等しい原子どうし
  2. 陽子の数が等しく、中性子の数が異なる(質量数が異なる)原子どうし
  3. 電子の数だけが異なる原子どうし
  4. 質量数が等しく、陽子の数が異なる原子どうし

同位体は原子番号(陽子の数)が等しく、中性子の数の違いにより質量数が異なる原子である。 (高等学校 化学基礎(原子の構造・同位体))

4. ある原子の原子核には陽子が17個、中性子が18個含まれている。この原子の質量数として正しいものはどれか。

  1. 17
  2. 18
  3. 35
  4. 36

質量数は陽子の数と中性子の数の和であるため、17+18=35となる。 (高等学校 化学基礎(物質の構成粒子))

5. 電子殻に収容できる電子の最大数は、内側からn番目の殻について2n^2個で表される。この式に基づくと、内側から3番目の電子殻(M殻)に収容できる電子の最大数はいくつか。

  1. 8個
  2. 9個
  3. 18個
  4. 32個

n=3を2n^2に代入すると2×3^2=18となり、M殻の最大収容電子数は18個である。 (高等学校 化学基礎(電子配置))

6. 現行の長周期型周期表において、縦の列と横の行はそれぞれ何と呼ばれるか。

  1. 縦=周期、横=族
  2. 縦=族、横=周期
  3. 縦=グループ、横=ブロック
  4. 縦=ブロック、横=グループ

周期表では縦の列を族(1〜18族)、横の行を周期(第1〜第7周期)と呼ぶ。 (IUPAC 周期表(Periodic Table of the Elements))

7. 周期表の18族に分類される元素群に共通する性質として正しいものはどれか。

  1. 価電子の数が1で反応性が高い
  2. 価電子の数が0で化学的に安定である
  3. 価電子の数が7でハロゲンと呼ばれる
  4. 常に陽イオンになりやすい

18族元素は貴ガス(希ガス)と呼ばれ、価電子の数が0であるため化学的に極めて安定である。 (高等学校 化学基礎(元素の周期律・周期表))

8. 水素を除く1族元素の一般名称と、その価電子の数の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. アルカリ土類金属・価電子2
  2. ハロゲン・価電子7
  3. アルカリ金属・価電子1
  4. 貴ガス・価電子0

水素を除く1族元素(Li, Na, K, Rb, Cs, Fr)はアルカリ金属と呼ばれ、価電子を1個持つ。 (高等学校 化学基礎(周期表と元素の分類))

9. ポーリングの電気陰性度の値が全元素中で最大となる元素はどれか。

  1. 酸素 O
  2. 塩素 Cl
  3. フッ素 F
  4. 窒素 N

ポーリングの電気陰性度はフッ素が約4.0(3.98)で全元素中最大であり、周期表の右上に位置する元素ほど大きくなる傾向がある。 (ポーリングの電気陰性度(L. Pauling による電気陰性度の値))

10. 物質を構成する化学結合として一般に分類されないものは、次のうちどれか。

  1. イオン結合
  2. 共有結合
  3. 金属結合
  4. 万有引力結合

化学結合はイオン結合・共有結合・金属結合の3種類に大別され、「万有引力結合」という化学結合の分類は存在しない。 (高等学校 化学基礎(物質と化学結合))

11. 化学の基本法則とその提唱者の組み合わせとして、妥当なものはどれか。

  1. 質量保存の法則-プルースト
  2. 定比例の法則-ラボアジエ
  3. 倍数比例の法則-ドルトン
  4. 質量保存の法則-ドルトン

質量保存の法則はラボアジエ、定比例の法則はプルースト、倍数比例の法則はドルトンがそれぞれ提唱し、これらの法則はドルトンの原子説確立の基礎となった。 (化学史(A. Lavoisier)/高等学校 化学基礎(化学量論の諸法則))

12. 酸化還元反応における「酸化」と「還元」の定義として正しいものはどれか。

  1. 酸化とは電子を受け取ること、還元とは電子を失うこと
  2. 酸化とは電子を失うこと、還元とは電子を受け取ること
  3. 酸化とは酸素を失うこと、還元とは酸素を受け取ること
  4. 酸化とは水素を受け取ること、還元とは水素を失うこと

電子の授受による定義では、酸化は電子を失うこと、還元は電子を受け取ることを指す。 (高等学校 化学基礎(酸化還元反応))

13. 酸化数の変化に着目したとき、酸化反応が起こったと判断できるのはどの場合か。

  1. ある原子の酸化数が増加した場合
  2. ある原子の酸化数が減少した場合
  3. ある原子の酸化数が変化しない場合
  4. 質量数が増加した場合

酸化数の増加は酸化を、酸化数の減少は還元を意味する。 (高等学校 化学基礎(酸化還元反応))

14. 相手の物質を酸化させ、自身は還元される物質を何と呼ぶか。

  1. 還元剤
  2. 酸化剤
  3. 触媒
  4. 電解質

相手を酸化し自身は還元される物質を酸化剤といい、逆に相手を還元し自身は酸化される物質を還元剤という。 (高等学校 化学基礎(酸化還元反応・酸化剤と還元剤))

15. 酸化数を決定する規則に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 単体を構成する原子の酸化数は常に+1である
  2. 化合物中の水素原子の酸化数は、通常+1である
  3. 単原子イオンの酸化数は、そのイオンの価数に関係なく常に0である
  4. 化合物中の酸素原子の酸化数は、例外なく常に0である

酸化数のルールでは、単体の原子は0、化合物中の水素は通常+1、酸素は通常-2(過酸化物などの例外を除く)、単原子イオンはその価数に等しいとされる。 (高等学校 化学基礎(酸化数の求め方))

16. 硫酸(H2SO4)中の硫黄原子の酸化数として正しいものはどれか。

  1. +4
  2. +6
  3. -2
  4. +2

水素の酸化数+1が2個、酸素の酸化数-2が4個であり、全体の酸化数の総和を0とすると、2×(+1)+x+4×(-2)=0よりx=+6となる。 (高等学校 化学基礎(酸化数の求め方))

17. 金属のイオン化傾向を比較した場合、次のうち反応性(陽イオンへのなりやすさ)が最も大きい金属はどれか。

  1. ナトリウム Na
  2. 鉄 Fe
  3. 銅 Cu
  4. 金 Au

金属のイオン化列ではナトリウムは鉄・銅・金よりもイオン化傾向が大きく、陽イオンになりやすい。 (高等学校 化学(金属のイオン化傾向))

18. ダニエル電池のような一般的な化学電池(ガルバニ電池)において、酸化反応が進行する電極はどちらか。

  1. 正極
  2. 負極
  3. 両極で同時に酸化反応が起こる
  4. 電極の種類によらず一定しない

電池では負極で酸化反応(電子を放出)が起こり、正極で還元反応(電子を受け取る)が起こることで電流が流れる。 (高等学校 化学(電池の原理・酸化還元反応の利用))

19. 電気分解において、外部電源の陽極(+極につながれた電極)で起こる反応として正しいのはどれか。

  1. 還元反応が起こる
  2. 酸化反応が起こる
  3. 中和反応が起こる
  4. 反応は起こらない

電気分解では陽極で酸化反応、陰極で還元反応が起こる。これは電池における負極・正極の関係とは電極名の対応が異なる点に注意が必要である。 (高等学校 化学(電気分解の原理))

20. 次の反応のうち、酸化還元反応に分類されないものはどれか。

  1. 鉄が空気中の酸素と反応してさびる反応
  2. 水素が燃焼して水になる反応
  3. 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が反応して塩と水を生じる中和反応
  4. 亜鉛が希硫酸と反応して水素を発生する反応

中和反応は酸化数の変化を伴わないため酸化還元反応ではないが、燃焼や金属の腐食、金属と酸の反応は電子の授受を伴う酸化還元反応である。 (高等学校 化学基礎(酸化還元反応と中和反応の区別))

21. 酸化還元反応が過不足なく進行するとき、酸化剤と還元剤の間で成り立つ量的関係として正しいものはどれか。

  1. 酸化剤の物質量と還元剤の物質量が常に等しい
  2. 酸化剤が受け取る電子の物質量と、還元剤が放出する電子の物質量が等しい
  3. 酸化剤と還元剤の質量の総和が反応前後で変化する
  4. 反応に関与した電子の総数は、生成した水の物質量と等しい

酸化還元反応では、酸化剤が受け取る電子の物質量と還元剤が放出する電子の物質量が等しくなることを利用して、酸化還元滴定の量的関係が計算される。 (高等学校 化学(酸化還元反応の量的関係・酸化還元滴定))

22. 二酸化硫黄(SO2)に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. SO2は酸化剤としてのみ働き、還元剤として働くことはない
  2. SO2は硫化水素(H2S)と反応する際には酸化剤として働くが、多くの反応では還元剤として働く
  3. SO2は常に還元剤としてのみ働き、酸化剤になることはない
  4. SO2は酸化還元反応に関与しない中性の物質である

SO2は多くの反応で還元剤として働くが、より強い還元剤である硫化水素と反応する場合には酸化剤として働くという二面性を持つ。 (高等学校 化学(酸化剤・還元剤としても働く物質の例))

23. 原子番号は原子のどのような数を表すか。

  1. 原子核中の中性子の数
  2. 原子核中の陽子の数
  3. 電子殻の数
  4. 質量数から陽子数を引いた数

原子番号は原子核中の陽子の数によって定義され、中性原子ではこれが電子の数に等しい。 (文部科学省 高等学校学習指導要領解説 理科編(化学基礎「物質の構成」))

24. 質量数の定義として正しいものはどれか。

  1. 陽子の数から中性子の数を引いた値
  2. 陽子の数と中性子の数の和
  3. 電子の数と陽子の数の和
  4. 原子核内の中性子の数のみ

質量数は原子核を構成する陽子の数と中性子の数の和である。 (高等学校 化学基礎(物質の構成粒子))

25. 内側からn番目の電子殻に収容できる電子の最大数を表す式として正しいものはどれか。

  1. n
  2. 2n
  3. n^2
  4. 2n^2

電子殻に収容できる最大電子数は2n^2で表され、K殻は2個、L殻は8個、M殻は18個となる。 (高等学校 化学基礎(電子配置))

26. 現行の周期表(長周期型)における縦の列と横の行の名称の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 縦=周期、横=族
  2. 縦=族、横=周期
  3. 縦=群、横=期
  4. 縦=周期、横=群

周期表では縦の列を族(1〜18族)、横の行を周期(第1〜第7周期)と呼ぶ。 (IUPAC 周期表(Periodic Table of the Elements))

27. 周期表18族に属する貴ガス(希ガス)の性質について正しいものはどれか。

  1. 価電子は1個で、非常に反応しやすい
  2. 価電子は0個とみなされ、化学的に安定である
  3. 最外殻電子はすべて不対電子である
  4. 常温常圧で全て金属固体として存在する

貴ガスは最外殻が閉殻構造をとるため価電子は0とみなされ、他の原子と結合しにくく化学的に安定である。 (高等学校 化学基礎(元素の周期律・周期表))

28. 水素を除く周期表1族に属する元素の一般的性質として正しいものはどれか。

  1. アルカリ金属と呼ばれ、価電子を1個持ち1価の陽イオンになりやすい
  2. ハロゲンと呼ばれ、価電子を7個持つ
  3. 貴ガスと呼ばれ、化学的に極めて安定である
  4. 遷移元素と呼ばれ、複数の酸化数をとる

水素を除く1族元素(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)はアルカリ金属と呼ばれ、価電子1個を放出して1価の陽イオンになりやすい。 (高等学校 化学基礎(周期表と元素の分類))

29. 物質を構成する化学結合として一般に分類される組合せとして正しいものはどれか。

  1. イオン結合・共有結合・金属結合
  2. イオン結合・水素結合・分子間結合
  3. 共有結合・配位結合・水素結合のみ
  4. 金属結合・水素結合・ファンデルワールス結合

物質の化学結合は大きくイオン結合・共有結合・金属結合の3種類に分類される。 (高等学校 化学基礎(物質と化学結合))

30. ポーリングの電気陰性度において、全元素中で最大の値を示す元素はどれか。

  1. 酸素
  2. 塩素
  3. フッ素
  4. 窒素

フッ素はポーリングの電気陰性度が約4.0(3.98)と全元素中で最大であり、電子を強く引き付ける。 (ポーリングの電気陰性度(L. Paulingによる電気陰性度の値))

31. イオン結合からなる結晶(イオン結晶)の一般的性質として正しいものはどれか。

  1. 融点が低く、固体の状態でも電気をよく通す
  2. 硬いがもろく、水に溶けると水溶液は電気を通すものが多い
  3. 分子から構成され、昇華しやすいものが大半である
  4. 自由電子を持ち、展性・延性に富む

イオン結晶は陽イオンと陰イオンが静電気的に結びついた硬くもろい結晶で、固体自体は電気を通さないが水溶液や融解液中ではイオンが移動できるため電気を通す。 (高等学校 化学基礎(イオン結合とイオン結晶の性質))

32. 金属結合およびその結晶の性質に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 価電子が特定の原子間に固定され、電気を通さない
  2. 自由電子が金属原子全体を動き回ることで結合が形成され、電気伝導性や展性・延性を示す
  3. イオン化した原子間の静電気力のみによって結合しており、もろく割れやすい
  4. 分子間力によって結合しており、融点が非常に低い

金属結合は価電子が特定の原子に固定されず自由電子として結晶内を動き回ることで生じ、電気伝導性・熱伝導性、展性・延性の要因となる。 (高等学校 化学基礎(金属結合と金属の性質))

33. 標準状態(0℃、1.013×10^5 Pa)における気体1molの体積は、気体の種類によらずおよそいくらか。

  1. 約11.2 L
  2. 約22.4 L
  3. 約44.8 L
  4. 約6.02 L

アボガドロの法則により、標準状態では気体の種類によらず1molの気体は約22.4Lの体積を占める。 (アボガドロの法則(高等学校 化学基礎、文部科学省 高等学校学習指導要領 理科))

34. 物質量1molに含まれる粒子(原子・分子・イオンなど)の数を表すアボガドロ定数の値として正しいものはどれか。

  1. 6.02×10^20 /mol
  2. 6.02×10^21 /mol
  3. 6.02×10^22 /mol
  4. 6.02×10^23 /mol

アボガドロ定数はSI(国際単位系)で6.02214076×10^23 /molと定義された定数である。 (国際単位系(SI)2019年改定によるアボガドロ定数の定義値/CODATA推奨値)

35. 温度一定の条件下で気体の圧力と体積の関係について述べたボイルの法則の内容として正しいものはどれか。

  1. 圧力は体積に比例する
  2. 圧力と体積の積は一定である
  3. 体積は絶対温度に比例する
  4. 圧力は絶対温度に反比例する

ボイルの法則は、一定温度において気体の圧力と体積の積(PV)が一定であることを示す法則である。 (ボイルの法則(気体の状態方程式の基礎))

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